心肺蘇生法

心肺蘇生法

 もしあなたの近くで人が倒れたら・・・落ち着いて適切な処置を行うことができますか?
ほとんどの人が自信を持って「できる‼」と答えられないと思います。それは当然のことと思います。人が目の前で倒れるなんて見たことないし、普通の日常の中では経験することがないことですよね。「まさか私の目の前でそんなことが起きるわけないじゃん」と内心思ってしまう人がいても無理もありません。
 でも、この日本において病院以外で突然心臓が停止して倒れる人の数をご存じでしょうか。実は1年間に10万人もの人が心停止で倒れているといわれています。この数字を見ると、あなたの目の前で心停止する人がいてもおかしくないことを感じることができると思います。そんなとき、あなたは行動できますか?完璧に動けなくても良い。少しでも協力できたりすることが大切です。一緒にポイントを確認していきましょう!

結 論

 このページで皆さんに最もお伝えしたいことは呼吸停止状態の人を見つけたら、胸骨圧迫をしてくださいということです。救急隊到着までの時間、胸骨圧迫をすることで命をつなぎ留めておくことができるからです。心停止を目撃した人がもし何もしなければ、できなければ命は救えません。このページを最後まで読んでいただければ自信を持って心肺蘇生法ができるようになります!お時間のある方はぜひ見てください。

【心肺蘇生法の動画を紹介します】

心肺蘇生法の流れ

救命への流れ
  • step1
    呼びかけて反応があるか確認
  • step2
    助けを求めるor通報
  • step3
    呼吸の確認
  • step4
    胸骨圧迫(心臓マッサージ)/人工呼吸
  • step5
    AEDの装着

呼びかけて反応があるか確認

 倒れた人あるいは倒れている人を見つけたら反応の確認の前に周囲の安全を確認します。特に道路上では通行する車の有無の確認、作業現場では、重機や資機材使用の停止がされているか、上からの落下物の有無の確認等が必要です。人を助けるよりまずは自身の安全の確保が必要になります。
 自身の安全が確保できたら、近づいて傷病者の肩を優しくたたきながら「わかりますか」と声をかけてください。最初は優しく叩きますが、徐々に強く叩き声も大きくしていきましょう。それでも全く反応がなかったり、目的ある仕草がない場合は反応なしとみなして次の行動に移ります。反応がある場合は話しを聞くなどして救急車の要請が必要かどうか判断します。判断ができない場合や迷った場合は救急車を要請しましょう。
↓救急車要請の判断の参考になるリンクです↓
https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201609/1.html#firstSection

・最初は自身の安全の確保
・迷ったら119番通報

助けを求めるor通報

 周囲に人がいれば助けを求めましょう。人が集まれば119番通報とAEDの手配をお願いしてください。指名することで責任感を抱かせることができるので効果的です。周囲に誰もいなく自分一人ならまずはスピーカーモードで通報してください。通報したら何を聴かれるか不安ですよね?通報の一例を示そうと思います。

消防
消防

火事ですか?救急ですか?

まみっち
まみっち

救急です

消防
消防

救急車が向かう場所を教えてください

まみっち
まみっち

●●市●●町111番地のまみっちの家です

消防
消防

どなたがどうされました?

まみっち
まみっち

親が急に目の前で倒れたんです

消防
消防

あなたの呼びかけに反応がありますか?

まみっち
まみっち

ありません

消防
消防

胸とお腹を見て動きがありますか?

まみっち
まみっち

あるような、ないような、わかりません

消防
消防

今から胸骨圧迫をしていただきたいのですがやり方はわかりますか?

まみっち
まみっち

わかりません!

消防
消防

今からやり方を説明しますのでその通りにやってみましょう!

まみっち
まみっち

わかりました!

 どうでしたか?難しいことは聴かれないですよね!聴かれたことについて、もしわからなければ正直にわからないと伝えれば大丈夫です。全て質問形式ですのでわかることだけを答えれば通信指令員が情報をまとめて救急隊に伝えてくれますのでご安心を。また、場所がわかった時点で救急指令を出せていますので、質問が続くからといって救急車の準備をしていないわけではありませんので、落ち着いて答えましょう。もし仮に心肺蘇生法のやり方がわからなかったとしても優秀な通信指令員が一つ一つ指示を出してくれます。でも心肺蘇生法を知っているのと知っていないのとでは効果に差が出ると思いますので少しでも良い心肺蘇生法ができるようにしておきましょう!

・通報とAED手配時は指名をしてお願いする
・一人ならまずはスピーカーモードで通報する

呼吸の確認

 呼吸の確認と言われてもどうすればいいかわかりませんよね!大切なポイントは胸とお腹の動きを見ることです。普段通りの呼吸をしていれば、必ずお腹と胸に動きがあるはずです。ここの動きがなければ、呼吸停止と判断して胸骨圧迫に移ります。でも、そんなこと言われてもわからなかったらどうすれば良いの~と苦手意識を持たれる方もおられると思いますが、わからないときや普段通りの呼吸じゃないときは呼吸停止していると判断してください。呼吸の確認に時間をかけすぎ、胸骨圧迫を開始する時間が遅くならないことが非常に重要です。また、意識がない人がうつ伏せだったり座っていたりしてお腹と胸の動きが見えにくければ、見やすいように仰向けにしましょう。
 呼吸の確認は胸骨圧迫をするかしないかの判断の分岐点になりますので心肺蘇生法の中でも最重要ポイントといっても過言ではありません。最後に一つ紹介しなければならないのが「死戦期呼吸」といわれる状態です。心停止した直後に見られるもので、呼吸停止しているのにまるで呼吸しているかのように見える状態のことです。あえぐように顎を動かし、呼吸をしているかのように見えます。実際には呼吸停止しているのに、間違えて呼吸していると判断してしまい胸骨圧迫を開始しなかった例が多くあります。普段通りの呼吸ではなければ呼吸停止と判断しましょう。
 ↓死戦期呼吸のイメージです↓

・呼吸の確認=胸とお腹の動きを見る
・呼吸しているかわからなかったり普段通りの呼吸でなければ呼吸停止と判断する
呼吸しているように見える「死戦期呼吸」という状態がある

胸骨圧迫(心臓マッサージ)/人工呼吸

胸骨圧迫のポイントは5つです。

①圧迫位置:胸骨の下半分(乳首と乳首を結んだ線の真ん中)
②角  度:床と垂直になるように
③深  さ:約5センチ(単3電池1本分)
④圧迫解除:圧迫後は元に位置に戻す
⑤圧迫速さ:1分間に100~120回

 
以上5つのポイントをおさえながら、【強く、速く、絶え間なく】行う必要性があります。

 人工呼吸については以前は胸骨圧迫とセットでしたが、今は求めていない流れがあります。人工呼吸をためらう時間があれば胸骨圧迫をした方が効果的という理由と、感染症に罹患する可能性が高くなることが理由としてあります。人工呼吸にためらいがなく、実施できる技術がある方は行ってください。実施する場合は胸骨圧迫:人工呼吸=30:2で行います。

・胸骨圧迫は【強く、速く、絶え間なく】
・人工呼吸はしなくても良い

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感想(2件)

AED装着

 電源を入れて、音声に従うだけ電源を入れてしまえばこっちのものです。AEDがひとつひとつ丁寧に指示をしてくれます。機種によって言葉は変わりますが大まかな指示内容は以下の通りです。

①パッドを絵に書いてある通りに体に貼り付けてください。
②心電図を解析中です。体に触れないでください。
③ショックが必要です。充電中です。体から離れてください。オレンジ色に点滅しているボタンを押してください。(ショック不要な場合③ショックは不要です。胸骨圧迫を続けてください。)

 AEDと聞くだけで難しそうな印象がありますよね!でも大丈夫ってことがわかりましたか?全て具体的に指示をしてくれるAED。皆さんが普段使っている家電の方がよっぽど難しい操作をしているのではないでしょうか。これからは自信を持ってAEDを使用することができるようになったと思います。AEDは、使用方法を細かく丁寧に説明してくれる家電だと思ってください!

・使い方は電源を入れて音声に従うだけ
・AEDを使用すれば全員助かるというものではない
・一番大切なのは胸骨圧迫

コメント

  1. たけちゃん より:

    非常にわかりやすい説明で、今度から何があっても大丈夫そうです!ありがとうございます♪

    • kyume より:

      そういったお言葉が励みになります!
      まだまだ初心者ですがもっともっとわかりやすい記事を描いていこうと思います!

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